平成30年介護報酬改定審議報告 介護老人保健施設

2018年3月13日

(2) 介護老人保健施設
1 在宅復帰・在宅療養支援機能に対する評価
 平成 29 年の制度改正で、介護老人保健施設の役割が在宅復帰・在宅療養支援であ ることがより明確にされたことを踏まえ、この機能を更に推進する観点から、報酬体系の 見直しを行う。

ア 従来型の基本報酬については、一定の在宅復帰・在宅療養支援機能を有するものを基本型として評価することとし、メリハリをつけた評価とする。

イ 在宅復帰・在宅療養支援機能については、現在、在宅復帰率、ベッド回転率、退所後の状況確認等の指標を用いて評価しているが、これらに加え、入所後の取組みやリハビリテーション専門職の配置等の指標も用いることで更にきめ細かい評価ができるよ うにする。

ウ 現行の在宅強化型よりも在宅復帰・在宅療養支援をより進めている施設については、 更に評価することとする。

エ 併せて、退所前訪問指導加算、退所後訪問指導加算、退所時指導加算について は、介護老人保健施設の退所時に必要な取組みとして、基本報酬に包括化する。

オ ただし、退所時指導加算のうち試行的な退所に係るものについては、利用者ごとの ニーズによって対応が異なることから、試行的退所時指導加算として、評価を継続することとする。

 

2 介護療養型老人保健施設の基本報酬等
 介護医療院と介護療養型老人保健施設では重なった機能があることや、報酬体系の簡素化の観点から、「療養型」及び「療養強化型」の報酬を「療養型」に一元化する。
ただし、「療養強化型」で評価されていた一定の医療処置及び重度者要件について は、質の高いケアを評価する観点から、療養体制維持特別加算において別に評価する とともに、当該加算の期限をなくすこととする。

 

3 かかりつけ医との連携
 多剤投薬されている入所者の処方方針を介護老人保健施設の医師とかかりつけ医が 事前に合意し、その処方方針に従って減薬する取組みについて、診療報酬改定におけ る対応を鑑みながら、必要に応じて評価することとする。

 

4 入所者への医療の提供
 所定疾患施設療養費について、介護老人保健施設で行うことができない専門的な検 査が必要な場合には医療機関と連携する等、診断プロセスに係る手間に応じた評価と する。
併せて、専門的な診断等のために医療機関に1週間以内の短期間入院を行う入所者 であっても、制度上は退所として扱われるが、介護老人保健施設で行われる医療として 必要なものであることから、在宅復帰率等の算定に際し配慮することとする。

 

5 排泄に介護を要する利用者への支援に対する評価の創設
 排泄障害等のため、排泄に介護を要する入所者に対し、多職種が協働して支援計画 を作成し、その計画に基づき支援した場合の新たな評価を設ける。

 

6 褥瘡の発生予防のための管理に対する評価
 入所者の褥瘡発生を予防するため、褥瘡の発生と関連の強い項目について、定期的 な評価を実施し、その結果に基づき計画的に管理することに対し新たな評価を設ける。

 

7 外泊時に在宅サービスを利用したときの費用の取扱い
 入所者に対して居宅における外泊を認め、当該入所者が、介護老人保健施設により 提供される在宅サービスを利用した場合は、1月に6日を限度として所定単位数に代え て1日につき一定の単位数を算定する。ただし、外泊の初日及び最終日は算定できない こととする。

 

8 口腔衛生管理の充実
 歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、入所者に対して口腔ケアを行うことを評価し た口腔衛生管理加算について、歯科衛生士が行う口腔ケアの対象者を拡大する観点か ら回数の緩和をするとともに、当該入所者に係る口腔ケアについて介護職員へ具体的な 技術的助言及び指導を行うことで口腔衛生管理の充実を図るため、以下の見直しを行 う。

ア 歯科衛生士が行う口腔ケアの実施回数は、現行の月4回以上を月2回以上に見直す。

イ 歯科衛生士が、当該入所者に係る口腔ケアについて介護職員へ具体的な技術的助 言及び指導を行い、当該入所者の口腔に関する相談等に必要に応じ対応することを 新たな要件に加える。

 

9 栄養マネジメント加算の要件緩和
 栄養マネジメント加算の要件を緩和し、常勤の管理栄養士1名以上の配置に関する 要件について、同一敷地内の他の介護保険施設(1施設に限る。)との兼務の場合にも 算定を認めることとする。

10 栄養改善の取組の推進
 低栄養リスクの高い入所者に対して、多職種が協働して低栄養状態を改善するため の計画を作成し、この計画に基づき、定期的に食事の観察を行い、当該入所者ごとの栄 養状態、嗜好等を踏まえた栄養・食事調整等を行うなど、低栄養リスクの改善に関する 新たな評価を創設する。

 

11 入院先医療機関との間の栄養管理に関する連携
 入所者が医療機関に入院し、経管栄養又は嚥下調整食の新規導入など、施設入所 時とは大きく異なる栄養管理が必要となった場合について、施設の管理栄養士が当該 医療機関の管理栄養士と連携して、再入所後の栄養管理に関する調整を行った場合の 評価を創設する。

 

12 身体的拘束等の適正化
 身体拘束廃止未実施減算について、運営基準と減算幅を以下のとおり見直すことと する。

(見直し後の基準)
身体的拘束等の適正化を図るため、以下の措置を講じなければならないこととする。
・ 身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況 並びに緊急やむを得ない理由を記録すること。
・ 身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を3月に1回以上開催すると ともに、その結果について、介護職員その他従業者に周知徹底を図ること。
・ 身体的拘束等の適正化のための指針を整備すること。
・ 介護職員その他の従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。
(見直し後の減算幅)
5単位/日 → ○%/日

 

13 介護療養型老人保健施設から介護医療院への転換の取扱い
ア 基準の緩和等 介護療養型老人保健施設から介護医療院に転換する場合について、療養室の床面積や廊下幅等の基準緩和等、現行の介護療養型老人保健施設が転換するにあた り配慮が必要な事項については、基準の緩和等を行うこととする。
 その際、転換前の介護療養型医療施設又は医療療養病床では有していたが、転換の際に一部撤去している可能性がある設備等については、サービスに支障の無い 範囲で配慮を行うこととする。

イ 転換後の加算 介護療養型老人保健施設から介護医療院への転換後、転換前後におけるサービ

スの変更内容を利用者及びその家族や地域住民等に丁寧に説明する等の取組みに ついて、最初に転換した時期を起算日として、1年間に限り算定可能な加算を創設する。

ただし、当該加算については介護医療院の認知度が高まると考えられる平成 33 年 3月末までの期限を設ける。

 

14 療養食加算の見直し
 1日単位で評価を行っている現行の取扱いを改め、1日3食を限度として、1食単位の 評価とする。

 

15 介護職員処遇改善加算の見直し
 介護職員処遇改善加算(IV)及び(V)については、要件の一部を満たさない事業者 に対し、減算された単位数での加算の取得を認める区分であることや、当該区分の取得 率や報酬体系の簡素化の観点を踏まえ、これを廃止することとする。その際、一定の経 過措置期間を設けることとする。

16 居室とケア
 ユニット型準個室について、実態を踏まえ、その名称を変更する。(介護老人福祉施設と同様の見直し)