平成30年介護報酬改定審議報告 介護医療院

(4) 介護医療院
1 介護医療院の基準
 介護医療院については、社会保障審議会「療養病床の在り方等に関する特別部会」 の議論の整理において、介護療養病床(療養機能強化型)相当のサービス(I型)と、老 人保健施設相当以上のサービス(II型)の2つのサービスが提供されることとされている が、この人員・設備・運営基準等については以下のとおりとする。

ア サービス提供単位 介護医療院のI型とII型のサービスについては、介護療養病床において病棟単位でサービスが提供されていることに鑑み、療養棟単位で提供できることとする。 ただし、規模が小さい場合については、これまでの介護療養病床での取扱いと同様に、療養室単位でのサービス提供を可能とする。

イ 人員配置 開設に伴う人員基準については、日中・夜間を通じ長期療養を主目的としたサービスを提供する観点から、介護療養病床と介護療養型老人保健施設の基準を参考に、
i 医師、薬剤師、看護職員、介護職員は、I型とII型に求められる医療・介護ニーズを勘案して設定し、
ii リハビリテーション専門職、栄養士、放射線技師、その他の従業者は施設全体として配置をすることを念頭に設定することとする。

ウ 設備療養室については、定員4名以下、1人あたり床面積を 8.0 m²/人以上とし、療養環 境をより充実する観点から、4名以下の多床室であってもプライバシーに配慮した環境 になるよう努めることとする。
 また、療養室以外の設備基準については、介護療養型医療施設で提供される医療 水準を提供する観点から、診察室、処置室、機能訓練室、臨床検査設備、エックス線 装置等を求めることとする。その際、医療設備については、医療法等において求めら れている衛生面での基準との整合性を図ることとする。

エ 運営 運営基準については、介護療養型医療施設の基準と同様としつつ、他の介護保険施設との整合性や長期療養を支えるサービスという観点も鑑みて設定することとする。 なお、これまで病院として求めていた医師の宿直については引き続き求めることとするが、一定の条件を満たす場合等に一定の配慮を行うこととする。

オ 医療機関との併設の場合の取扱い 医療機関と併設する場合については、医療資源の有効活用の観点から、宿直の医師を兼任できるようにする等の人員基準の緩和や設備の共用を可能とする。

カ ユニットケア 他の介護保険施設でユニット型を設定していることから、介護医療院でもユニット型を設定することとする。

 

2 介護医療院の基本報酬等
 介護医療院の基本報酬及び加算等については、介護療養病床と同水準の医療提供 が求められることや介護療養病床よりも充実した療養環境が求められること等を踏まえ、 以下のとおりとする。

ア 基本報酬の基準
介護医療院の基本報酬に求められる基準については、
・ I型では現行の介護療養病床(療養機能強化型)を参考とし、
・ II型では介護老人保健施設の基準を参考としつつ、24 時間の看護職員の配置が可能となることに考慮し設定することとする。
その上で、介護医療院の基本報酬については、I型、II型に求められる機能を踏 まえ、それぞれに設定される基準に応じた評価を行い、一定の医療処置や重度者要 件等を設けメリハリをつけた評価とするとともに、介護療養病床よりも療養室の環境を 充実させていることも合わせて評価することとする。

イ 加算その他の取扱い 介護療養型医療施設で評価されている加算等その他の取扱いについては、引き続き介護医療院においても同様とする。なお、必要に応じて加算等の名称を変更する。
(例)退院時指導等加算 → 退所時指導等加算
特定診療費 → 特別診療費

ウ 緊急時の医療 介護医療院は、病院・診療所ではないものの、医療提供施設として緊急時の医療に対応する必要があることから、介護老人保健施設と同様に、緊急時施設療養費と同 様の評価を行うこととする。

エ 重度の認知症疾患への対応 重度の認知症疾患への対応については、入院患者の全てが認知症である老人性認知症疾患療養病棟で評価されているような、精神保健福祉士や看護職員の手厚い 配置に加え、精神科病院との連携等を加算として評価することとする。

 

3 介護医療院への転換
ア 基準の緩和等 介護療養型医療施設又は医療療養病床から介護医療院に転換する場合について、療養室の床面積や廊下幅等の基準緩和等、現行の介護療養型医療施設又は医 療療養病床が転換するにあたり配慮が必要な事項については、基準の緩和等を行う こととする。

イ 転換後の加算 介護療養型医療施設又は医療療養病床から介護医療院への転換後、転換前後におけるサービスの変更内容を利用者及びその家族や地域住民等に丁寧に説明す る等の取組みについて、最初に転換した時期を起算日として、1年間に限り算定可能 な加算を創設する。
ただし、当該加算については介護医療院の認知度が高まると考えられる平成 33 年 3月末までの期限を設ける。

ウ 介護療養型老人保健施設の取扱い 介護療養型老人保健施設についても、上記と同様の転換支援策を用意するとともに、転換前の介護療養型医療施設又は医療療養病床では有していたが転換の際に一部撤去している可能性がある設備等については、サービスに支障の無い範囲で配 慮を行うこととする。

 

4 認知症専門ケア加算の創設
 どのサービスでも認知症の方に適切なサービスが提供されるように、現在、介護保険 施設に設けられている「認知症専門ケア加算」、「若年性認知症患者受入加算」及び「認 知症行動・心理症状緊急対応加算」を介護医療院にも創設する。

 

5 排泄に介護を要する利用者への支援に対する評価の創設
 排泄障害等のため、排泄に介護を要する入所者に対し、多職種が協働して支援計画 を作成し、その計画に基づき支援した場合の新たな評価を設ける。

 

6 口腔衛生管理の充実
 歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、入所者に対して口腔ケアを行うことを評価し た口腔衛生管理加算について、歯科衛生士が行う口腔ケアの対象者を拡大する観点か ら回数の緩和をするとともに、当該入所者に係る口腔ケアについて介護職員へ具体的な 技術的助言及び指導を行うことで口腔衛生管理の充実を図るため、以下の見直しを行 う。

ア 歯科衛生士が行う口腔ケアの実施回数は、現行の月4回以上を月2回以上に見直す。

イ 歯科衛生士が、当該入所者に係る口腔ケアについて介護職員へ具体的な技術的助 言及び指導を行い、当該入所者の口腔に関する相談等に必要に応じ対応することを 新たな要件に加える。

 

7 栄養マネジメント加算の要件緩和
 栄養マネジメント加算の要件を緩和し、常勤の管理栄養士1名以上の配置に関する 要件について、同一敷地内の他の介護保険施設(1施設に限る。)との兼務の場合にも 算定を認めることとする。

 

8 栄養改善の取組の推進
 低栄養リスクの高い入所者に対して、多職種が協働して低栄養状態を改善するため の計画を作成し、この計画に基づき、定期的に食事の観察を行い、当該入所者ごとの栄 養状態、嗜好等を踏まえた栄養・食事調整等を行うなど、低栄養リスクの改善に関する 新たな評価を創設する。

 

9 入院先医療機関との間の栄養管理に関する連携
 入所者が医療機関に入院し、経管栄養又は嚥下調整食の新規導入など、施設入所 時とは大きく異なる栄養管理が必要となった場合について、施設の管理栄養士が当該 医療機関の管理栄養士と連携して、再入所後の栄養管理に関する調整を行った場合の 評価を創設する。

 

10 身体的拘束等の適正化
 身体的拘束等のさらなる適正化を図る観点から、運営基準に以下のとおり定めることと するほか、これに違反した場合の減算を創設する。

(基準)身体的拘束等の適正化を図るため、以下の措置を講じなければならないこととする。
・ 身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録すること。
・ 身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を3月に1回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他従業者に周知徹底を図ること。
・ 身体的拘束等の適正化のための指針を整備すること。
・ 介護職員その他の従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。
(減算幅)
○%/日

 

11 診断分類(DPC)コードの記載
 慢性期における医療ニーズに関する、要介護度や医療処置の頻度以外の医療に関 する情報を幅広く収集する観点から、介護医療院(I型)について、その入所者の介護 給付費明細書に医療資源を最も投入した傷病名を医科診断群分類(DPCコード)により 記載することを求めることとする。その際、一定の経過措置期間を設けることとする。

 

12 療養食加算の見直し
 1日単位で評価を行っている現行の取扱いを改め、1日3食を限度として、1食単位の 評価とする。

 

13 居室とケア
ユニット型準個室について、実態を踏まえ、その名称を変更する。(介護老人福祉施 設と同様の見直し)

 

14 介護医療院が提供する居宅サービス
介護療養型医療施設が提供可能であった短期入所療養介護、通所リハビリテーショ ン及び訪問リハビリテーションについては、介護医療院においても提供することを可能と する。