平成30年介護報酬改定審議報告 訪問介護

2018年3月13日

(1) 訪問介護

1 生活機能向上連携加算の見直し

生活機能向上連携加算について、以下の見直しを行う。

ア 自立支援・重度化防止に資する介護を推進するため、現行の訪問リハビリテーション・通所リハビリテーショ
ンの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が利用者宅を訪問して行う場合に加えて、リハビリテーションを実施している医療提供施設(原則として 許可病床数 200 床未満のものに限る。)の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師が訪問して行う場合についても評価するとともに、リハビリテーション専門職との連携を促進するため、これらの評価を充実する。

イ また、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師が利用者宅を訪問することが難しい場合においても、自立支援・重度化防止に資する介護を推進するため、

・ 訪問リハビリテーション若しくは通所リハビリテーションを実施している事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設(原則として許可病床数 200 床未満のものに限る。)の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師からの助言(アセスメント・カンファレンス)を受けることができる体制を構築し、助言を受けた上で、サー ビス提供責任者が生活機能の向上を目的とした訪問介護計画を作成(変更)すること

・ 当該理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師は、通所リハビリテーション等のサービス提供の場において、又はICTを活用した動画等により、利用者の状態を把握した上で、助言を行うこと

を定期的に行うことを評価することとする。

 

2 「自立生活支援のための見守り的援助」の明確化

自立支援の機能を高める観点から、身体介護と生活援助の内容を規定している通知 (老計第 10 号(訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について))について、身体介護として行われる「自立生活支援のための見守り的援助」を明確化する。

 

3 身体介護と生活援助の報酬

自立支援・重度化防止に資する訪問介護を推進・評価する観点から、訪問介護事業所の経営実態を踏まえた上で、身体介護に重点を置くなど、身体介護・生活援助の報酬にメリハリをつけることとする。

 

4 生活援助中心型の担い手の拡大

訪問介護事業所における更なる人材確保の必要性を踏まえ、介護福祉士等は身体介護を中心に担うこととし、生活援助中心型については、人材の裾野を広げて担い手を確保しつつ、質を確保するため、現在の訪問介護員の要件である 130 時間以上の研修は求めないが、生活援助中心型のサービスに必要な知識等に対応した研修を修了した者が担うこととする。

このため、新たに生活援助中心型のサービスに従事する者に必要な知識等に対応した研修課程を創設することとする。その際、研修のカリキュラムについては、初任者研修のカリキュラムも参考に、観察の視点や認知症高齢者に関する知識の習得を重点とす る。

また、訪問介護事業者ごとに訪問介護員等を常勤換算方法で 2.5 以上置くこととされているが、上記の新しい研修修了者もこれに含めることとする。

この場合、生活援助中心型サービスは介護福祉士等が提供する場合と新研修修了者が提供する場合とが生じるが、両者の報酬は同様とする。

なお、この場合、訪問介護事業所には多様な人材が入ることとなるが、引き続き、利用者の状態等に応じて、身体介護、生活援助を総合的に提供していくこととする。

 

5 同一建物等居住者にサービス提供する場合の報酬

同一建物等居住者にサービス提供する場合の報酬について以下の見直しを行う。

ア 訪問介護のサービス提供については、以下に該当する場合に 10%減算とされているが、建物の範囲等を見直し、いずれの場合も有料老人ホーム等(※)以外の建物も対象とする。

i 事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物(有料老人ホーム等(※)に限る)に居住する者
ii 上記以外の範囲に所在する建物(有料老人ホーム等(※)に限る)に居住する者(当該建物に居住する利用者の人数が1月あたり 20 人以上の場合)

イ またiについて、事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物のうち、 当該建物に居住する利用者の人数が1月あたり 50 人以上の場合は、減算幅を見直す。
※ 養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅

ウ 上記ア又はイによる減算を受けている者と、当該減算を受けていない者との公平性の観点から、上記ア又はイによる減算を受けている者の区分支給限度基準額を計算 する際には、減算前の単位数を用いることとする。

6 訪問回数の多い利用者への対応

ア 訪問回数の多いケアプランについては、利用者の自立支援・重度化防止や地域資源の有効活用等の観点から、市町村が確認し、必要に応じて是正を促していくことが 適当であり、ケアマネジャーが、統計的に見て通常のケアプランよりかけ離れた回数 (※)の訪問介護(生活援助中心型)を位置付ける場合には、市町村にケアプランを届け出ることとする。

(※)「全国平均利用回数+2標準偏差」を基準として平成 30年4月に国が定め、6ヶ月の周知期間を設けて 10 月から施行する。

イ 地域ケア会議の機能として、届け出られたケアプランの検証を位置付け、市町村は地域ケア会議の開催等により、届け出られたケアプランの検証を行うこととする。また市町村は、必要に応じ、ケアマネジャーに対し、利用者の自立支援・重度化防止や地域資源の有効活用等の観点から、サービス内容の是正を促す。

 

7 サービス提供責任者の役割や任用要件等の明確化

サービス提供責任者の役割や任用要件等について以下の見直しを行う。

ア サービス提供責任者のうち、初任者研修課程修了者及び旧2級課程修了者は任用 要件から廃止する。ただし、現に従事している者については1年間の経過措置を設る。 また、初任者研修課程修了者又は旧2級課程修了者であるサービス提供責任者を配置している場合に係る減算についても、上記に合わせて、平成 30 年度は現に従事 している者に限定し、平成 31 年度以降は廃止する。

イ 訪問介護の現場での利用者の口腔に関する問題や服薬状況等に係る気付きをサー ビス提供責任者から居宅介護支援事業者等のサービス関係者に情報共有することに ついて、サービス提供責任者の責務として明確化する。

ウ 訪問介護の所要時間については、実際の提供時間ではなく、標準的な時間を基準 としてケアプランが作成される。一方で、標準時間と実際の提供時間が著しく乖離して いる場合には、実際の提供時間に応じた時間にプランを見直すべきであることから、サ ービス提供責任者は、提供時間を記録するとともに、著しくプラン上の標準時間と乖離している場合にはケアマネジャーに連絡し、ケアマネジャーは必要に応じたプランの 見直しをすることを明確化する。

エ 訪問介護事業者は、居宅介護支援事業所のケアマネジャー(セルフケアプランの場 合には当該被保険者)に対して、自身の事業所のサービス利用に係る不当な働きか けを行ってはならない旨を明確化する。

 

8 共生型訪問介護

ア 共生型訪問介護の基準 共生型訪問介護については、障害福祉制度における居宅介護、重度訪問介護の指定を受けた事業所であれば、基本的に共生型訪問介護の指定を受けられるものとして、基準を設定する。
なお、障害福祉制度における障害者居宅介護従業者基礎研修課程修了者や重度訪問介護従業者養成研修修了者等については、65歳に至るまでに、これらの研修修了者に係る障害福祉事業所において障害福祉サービスを利用していた高齢障害者に対してのみ、サービスを提供できることとする。

イ 共生型訪問介護の報酬報酬は、以下の基本的な考え方を踏まえて設定する。この際、障害福祉制度における障害者居宅介護従業者基礎研修課程修了者に係る取扱い(30%減算)等も踏 まえる。また、訪問介護事業所に係る加算は、各加算の算定要件を満たした場合に算定できることとする。

(報酬設定の基本的な考え方)
i 本来的な介護保険事業所の基準を満たしていないため、本来報酬単価と区分。 ii 障害者が高齢者(65歳)に到達して介護保険に切り替わる際に事業所の報酬が大きく減ることは、65歳問題への対応という制度趣旨に照らして適切ではないことか ら、概ね障害福祉制度における報酬の水準を担保する。

 

9 介護職員処遇改善加算の見直し

介護職員処遇改善加算(IV)及び(V)については、要件の一部を満たさない事業者に対し、減算された単位数での加算の取得を認める区分であることや、当該区分の取得 率や報酬体系の簡素化の観点を踏まえ、これを廃止することとする。その際、一定の経過措置期間を設けることとする。