平成30年介護報酬改定審議報告 訪問リハビリテーション

(6) 訪問リハビリテーション
1 医師の指示の明確化等

医師の指示の内容を明確化して、評価するとともに、明確化する内容を考慮しながら、 直近の介護事業経営実態調査の結果も踏まえて基本報酬を見直すこととする。
具体的には、医師の詳細な指示について、リハビリテーションマネジメント加算の算定 要件として明確化し、別途評価するとともに、介護事業経営実態調査の結果を踏まえ、 基本報酬を設定することとする。

(リハビリテーションマネジメント加算に追加する要件)

・ 医師は毎回のリハビリテーションの実施にあたり、詳細な指示(※)を行うこと。
・ 医師が当該利用者に対して3月以上の継続利用が必要と判断する場合には、リハ ビリテーション計画書の備考欄に継続利用が必要な理由等を記載すること。
※ リハビリテーションの目的及び、リハビリテーション開始前の留意事項、リハビリテーション中の留意事項、中止基準、リハビリテーションにおける負荷量等のうち1つの計2つ以上の事項。

 

2 リハビリテーション会議への参加方法の見直し等

現行のリハビリテーションマネジメント加算(II)を算定するためには、医師が利用者又 はその家族に対し、リハビリテーション計画の内容等について、リハビリテーション会議で 説明し、同意を得ることが必要である。
しかし、医師のリハビリテーション会議への出席が困難なことや、医師からの説明時間 が確保できないことから、この加算を算定できないことが多いという意見を踏まえ、以下の 見直しを行うこととする。

ア リハビリテーション会議への医師の参加について、テレビ電話等(※)を活用してもよいこととする。
※ テレビ会議システムの他、携帯電話等でのテレビ電話を含む。

イ 医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士がリハビリテーション 計画等について医師の代わりに説明できることとする。ただし、この場合の評価は適正 化することとする。

 

3 リハビリテーション計画書等のデータ提出等に対する評価

リハビリテーションの質の更なる向上のために、現行のリハビリテーションマネジメント加 算(II)の要件に加えて、以下の要件を満たした事業所を新たに評価することとする。

(追加する要件)
リハビリテーションマネジメント加算等に使用する様式のデータを、通所・訪問リハビリテーションの質の評価データ収集等事業に参加し、同事業で活用しているシス テム(VISIT)を用いて提出し、フィードバックを受けること。

 

4 介護予防訪問リハビリテーションにおけるリハビリテーションマネジメント加算の創設

質の高いリハビリテーションを実現するため、介護予防訪問リハビリテーションについて もリハビリテーションマネジメントを導入することとする。
ただし、要支援者が対象となることから、以下のとおり、要介護者で算定されているリハ ビリテーションマネジメント加算の要件の一部のみを導入することとする。

(要件)
・医師は毎回のリハビリテーションの実施にあたり、詳細な指示(※)を行うこと。
・おおむね3月ごとにリハビリテーション計画を更新すること。
・3月以上サービスを利用する場合には、リハビリテーション計画書の備考欄に継続
利用が必要な理由等を記載すること。
※ リハビリテーションの目的及び、リハビリテーション開始前の留意事項、リハビリテーション中の留意事項、中止基準、リハビリテーションにおける負荷量等のうち1つの計2つ以上の事項。

 

5 社会参加支援加算の要件の明確化等

社会参加支援加算の算定要件について、サービスの種類を考慮しつつ、告示と通知 の記載内容を整理し、算定要件を明確にする。
また、現行、告示や通知に記載されていない、下記の場合を加えることとする。

・ 訪問リハビリテーションの利用者が、要介護から要支援へ区分変更と同時に、介護予防通所リハビリテーション、介護予防認知症対応型通所介護、介護予防小規模多機能型居宅介護に移行した場合
・ 就労に至った場合

 

6 介護予防訪問リハビリテーションにおける事業所評価加算の創設

自立支援、重度化防止の観点から、介護予防通所リハビリテーションにおけるアウトカム評価として設けられている事業所評価加算を、介護予防訪問リハビリテーションにおい ても創設する。
その場合の算定要件については、介護予防通所リハビリテーションの事業所評価加 算を踏まえて設定することとする。

(参考)
介護予防通所リハビリテーションにおける事業所評価加算の算定要件
1.定員利用・人員基準に適合しているものとして都道府県知事に届け出て運動機能向上サービス、栄養改善サービス又は口腔機能向上サービスを行っていること。
2.利用実人員数が 10 名以上であること。
3.利用実人員数の 60%以上に選択的サービスを実施していること。
4. (要支援状態区分の維持者数+改善者数×2)÷(評価対象期間内(前年の 1 月~12 月) に、選択的サービス(運動機能向上、栄養改善、口腔機能向上)を3か月以上利用し、その 後に更新・変更認定を受けた者の数)≧0.7 を満たすこと(選択的サービスを3月以上利用 した者の要支援状態の維持・改善率)

 

7 訪問リハビリテーションにおける専任の常勤医師の配置の必須化

指定訪問リハビリテーションを実施するにあたり、リハビリテーション計画を作成すること が求められており、この際に事業所の医師が診療する必要がある。
 このため、指定訪問リハビリテーション事業所に専任の常勤医師の配置を求めることとする。
 その際、事業所である病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院の常勤医師との兼務を可能とするほか、指定訪問リハビリテーションを行う介護老人保健施設、介護医 療院であって、病院又は診療所と併設されているものについては、通所リハビリテーショ ンの人員基準と同様に当該病院又は診療所の常勤医師との兼務で差し支えないものと する。医師の診療に係る取扱いについて例外を設けることとするが、この場合の評価は適正化することとする。

 

8 基本報酬の見直し

リハビリテーション計画を作成する際の医師の診療について、利用者が指定(介護予 防)訪問リハビリテーション事業所である医療機関を受診した際に行われた場合や、訪問診療等と同時に行われた場合は、別途診療報酬が算定されることから、二重評価にな らないように見直しを図ることとする。

 

9 医療と介護におけるリハビリテーション計画の様式の見直し等

ア 医療保険の疾患別リハビリテーションを受けている患者の介護保険のリハビリテーシ ョンへの円滑な移行を推進するため、医療保険と介護保険のそれぞれのリハビリテー ション計画書の共通する事項について互換性を持った様式を設けることとする。

イ 指定(介護予防)訪問リハビリテーション事業所が、医療機関から当該様式をもって 情報提供を受けた際、当該事業所の医師が利用者を診療するとともに、当該様式に 記載された内容について、その是非を確認し、リハビリテーションの提供を開始しても 差し支えないと判断した場合には、当該様式を根拠として介護保険のリハビリテーショ ンの算定を開始可能とする。

ただし、当該様式を用いて算定を開始した場合には、3月以内にリハビリテーション 計画を作成することとする。

 

10 離島や中山間地域等の要支援・要介護者に対する訪問リハビリテーションの提供

指定(介護予防)訪問リハビリテーションにおいて、他の訪問系サービスと同様に、「特 別地域加算」及び「中山間地域等における小規模事業所加算」を新たに創設することとする。
その際、他の訪問系サービスの「中山間地域等における小規模事業所加算」におい ては、小規模事業所について、一月当たりの訪問回数の実績等に基づいて定めているが、指定(介護予防)訪問リハビリテーションの場合についても同様に定めることとする。 また、他のサービスと同様、これらの加算については、区分支給限度基準額の算定に含めないこととする。

 

11 同一建物等居住者にサービス提供する場合の報酬

同一建物等居住者にサービス提供する場合の報酬について以下の見直しを行う。 (訪問介護と同様の見直し)

ア 訪問リハビリテーションのサービス提供については、以下に該当する場合に 10%減算とされているが、建物の範囲等を見直し、いずれの場合も有料老人ホーム等(※)以 外の建物も対象とする。

i 事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物(有料老人ホーム等(※)に限る)に居住する者
ii 上記以外の範囲に所在する建物(有料老人ホーム等(※)に限る)に居住する者(当該建物に居住する利用者の人数が1月あたり 20 人以上の場合)

イ またiについて、事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物のうち、 当該建物に居住する利用者の人数が1月あたり 50 人以上の場合は、減算幅を見直す。
※ 養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅

ウ 上記ア又はイによる減算を受けている者と、当該減算を受けていない者との公平性 の観点から、上記ア又はイによる減算を受けている者の区分支給限度基準額を計算 する際には、減算前の単位数を用いることとする。

 

12 介護医療院が提供する訪問リハビリテーション

訪問リハビリテーションについては、介護療養型医療施設が提供可能であったことを 踏まえ、介護医療院においても提供することを可能とする。

 

13 その他

平成 29 年度をもって介護予防訪問介護の地域支援事業への移行が完了することに伴い、介護予防訪問リハビリテーションにおける訪問介護連携加算を廃止することとする。