平成30年介護報酬改定審議報告 通所リハビリテーション

2018年3月13日

(4) 通所リハビリテーション
1 医師の指示の明確化等
 医師の指示の内容を明確化して、評価するとともに、明確化する内容を考慮しなが ら、直近の介護事業経営実態調査の結果も踏まえて基本報酬を見直すこととする。
具体的には、医師の詳細な指示について、リハビリテーションマネジメント加算の算定 要件として明確化し、別途評価するとともに、介護事業経営実態調査の結果を踏まえ、 基本報酬を設定することとする。

(リハビリテーションマネジメント加算に追加する要件)
・ 医師は毎回のリハビリテーションの実施にあたり、詳細な指示(※)を行うこと。
・ 医師が当該利用者に対して3月以上の継続利用が必要と判断する場合には、リハビリテーション計画書の備考欄に継続利用が必要な理由等を記載すること。
※ リハビリテーションの目的及び、リハビリテーション開始前の留意事項、リハビリテーション中 の留意事項、中止基準、リハビリテーションにおける負荷量等のうち1つの計2つ以上の事項。

 

2 リハビリテーション会議への参加方法の見直し等
 現行のリハビリテーションマネジメント加算(II)を算定するためには、医師が利用者又 はその家族に対し、リハビリテーション計画の内容等について、リハビリテーション会議で 説明し、同意を得ることが必要である。
しかし、医師のリハビリテーション会議への出席が困難なことや、医師からの説明時間 が確保できないことから、この加算を算定できないことが多いという意見を踏まえ、以下の 見直しを行うこととする。

ア リハビリテーション会議への医師の参加について、テレビ電話等(※)を活用してもよいこととする。
※ テレビ会議システムの他、携帯電話等でのテレビ電話を含む。

イ 医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士がリハビリテーション 計画等について医師の代わりに説明できることとする。ただし、この場合の評価は適正 化することとする。

ウ リハビリテーション会議の開催頻度について、リハビリテーションを実施する指定通所 リハビリテーション事業所において、過去に一定以上の期間・頻度で介護保険または 医療保険のリハビリテーションに係る報酬の請求がある利用者におけるリハビリテーション会議の開催については、算定当初から3月に1回でよいこととする。

 

3 リハビリテーション計画書等のデータ提出等に対する評価
 リハビリテーションの質の更なる向上のために、現行のリハビリテーションマネジメント加 算(II)の要件に加えて、以下の要件を満たした事業所を新たに評価することとする。

(追加する要件)
リハビリテーションマネジメント加算等に使用する様式のデータを、通所・訪問リハビリテーションの質の評価データ収集等事業に参加し、同事業で活用しているシス テム(VISIT)を用いて提出し、フィードバックを受けること。

 

4 介護予防通所リハビリテーションにおけるリハビリテーションマネジメント加算の創設
 質の高いリハビリテーションを実現するため、介護予防通所リハビリテーションについて もリハビリテーションマネジメントを導入することとする。
ただし、要支援者が対象となることから、以下のとおり、要介護者で算定されているリハ ビリテーションマネジメント加算の要件の一部のみを導入することとする。

(要件)
・ 医師は毎回のリハビリテーションの実施にあたり、詳細な指示(※)を行うこと。
・ おおむね3月ごとにリハビリテーション計画を更新すること。
・ 3月以上サービスを利用する場合には、リハビリテーション計画書の備考欄に継続利用が必要な理由等を記載すること。
・医師又は医師の指示を受けた PT、OT 又は ST が開始日から1月以内に居宅を訪問して評価すること。
※ リハビリテーションの目的及び、リハビリテーション開始前の留意事項、リハビリテーション中の留意事項、中止基準、リハビリテーションにおける負荷量等のうち1つの計2つ以上の事項。

 

5 社会参加支援加算の要件の明確化等
 社会参加支援加算の算定要件について、サービスの種類を考慮しつつ、告示と通知 の記載内容を整理し、算定要件を明確にする。
また、現行、告示や通知に記載されていない、下記の場合を加えることとする。

・ 通所リハビリテーションの利用者が、要介護から要支援へ区分変更と同時に、介護 予防認知症対応型通所介護、介護予防小規模多機能型居宅介護に移行した場合
・ 就労に至った場合

6 介護予防通所リハビリテーションにおける生活行為向上リハビリテーション実施加算の創設
 活動と参加に資するリハビリテーションを更に推進する観点から、現在、通所リハビリテ ーションで評価されている生活行為向上リハビリテーション実施加算を、介護予防通所リ ハビリテーションにおいても創設する。

(要件)
下記、通所リハビリテーションにおける生活行為向上リハビリテーション実施加算の算定要件アからウと同様の要件を満たしていること。
・今回創設するリハビリテーションマネジメント加算を算定していること。
・事業所評価加算との併算定は不可とする。

(参考)通所リハビリテーションにおける生活行為向上リハビリテーション実施加算の算定要件
ア 生活行為の内容の充実を図るための専門的な知識若しくは経験を有する作業療法士
又は研修を修了した理学療法士・言語聴覚士が配置されていること。

イ 生活行為の内容の充実を図るための目標、実施頻度、実施場所等が記載されたリハビリテーション計画を定めて、リハビリテーションを提供すること。

ウ 指定通所リハビリテーションの終了前1月以内にリハビリテーション会議を開催すること。

エ リハビリテーションマネジメント加算(II)を算定していること。

 

7 栄養改善の取組の推進
ア 栄養改善加算の見直し 栄養改善加算について、管理栄養士1名以上の配置が要件とされている現行の取扱いを改め、外部の管理栄養士の実施でも算定を認めることとする。

イ 栄養スクリーニングに関する加算の創設 管理栄養士以外の介護職員等でも実施可能な栄養スクリーニングを行い、介護支援専門員に栄養状態に係る情報を文書で共有した場合の評価を創設する。

 

8 3時間以上のサービス提供に係る基本報酬等の見直し等
 通所リハビリテーションと通所介護の役割分担と機能強化に関する議論や、通所介護 の見直しを踏まえ、以下の見直しを行う。

ア 3時間以上の通所リハビリテーションを提供した場合の基本報酬について、同じ時間、同等規模の事業所で通所介護を提供した場合の基本報酬との均衡を考慮しつつ見直しを行う。
イ 一方で、リハビリテーション専門職の配置が、人員に関する基準よりも手厚い体制を構築し、リハビリテーションマネジメントに基づいた長時間のサービスを提供している場合を評価する。

 

9 短時間リハビリテーション実施時の面積要件等の緩和
 医療保険の脳血管疾患等・廃用症候群・運動器リハビリテーションから介護保険のリ ハビリテーションへの移行を円滑に行う観点から、診療報酬改定における対応を鑑みな がら、必要に応じて、医療保険と介護保険のリハビリテーションを同一のスペースにおい て行う場合の面積・人員・器具の共用に関する要件を緩和することとする。

 

10 医療と介護におけるリハビリテーション計画の様式の見直し等
ア 医療保険の疾患別リハビリテーションを受けている患者の介護保険のリハビリテーシ ョンへの円滑な移行を推進するため、医療保険と介護保険のそれぞれのリハビリテー ション計画書の共通する事項について互換性を持った様式を設けることとする。

イ 指定(介護予防)通所リハビリテーション事業所が、医療機関から当該様式をもって 情報提供を受けた際、当該事業所の医師が利用者を診療するとともに、当該様式に 記載された内容について、その是非を確認し、リハビリテーションの提供を開始しても 差し支えないと判断した場合には、当該様式を根拠として介護保険のリハビリテーショ ンの算定を開始可能とする。
ただし、当該様式を用いて算定を開始した場合には、3月以内にリハビリテーション 計画を作成することとする。

 

11 介護医療院が提供する通所リハビリテーション
 通所リハビリテーションについては、介護療養型医療施設が提供可能であったことを 踏まえ、介護医療院においても提供することを可能とする。

 

12 介護職員処遇改善加算の見直し
 介護職員処遇改善加算(IV)及び(V)については、要件の一部を満たさない事業者に対し、減算された単位数での加算の取得を認める区分であることや、当該区分の取得率や報酬体系の簡素化の観点を踏まえ、これを廃止することとする。その際、一定の経過措置期間を設けることとする。