平成30年介護報酬改定審議報告 居宅介護支援

6.居宅介護支援
1 医療と介護の連携の強化
ア 入院時における医療機関との連携促進 入院時における医療機関との連携を促進する観点から、以下の見直しを行う。

i 居宅介護支援の提供の開始に当たり、利用者等に対して、入院時に担当ケアマ ネジャーの氏名等を入院先医療機関に提供するよう依頼することを義務づける。
ii 入院時情報連携加算について、入院後3日以内の情報提供を新たに評価すると ともに、情報提供の方法による差は設けないこととする。
iii より効果的な連携となるよう、入院時に医療機関が求める利用者の情報を様式例 として示すこととする。

イ 退院・退所後の在宅生活への移行に向けた医療機関等との連携促進 退院・退所後の在宅生活への移行に向けた医療機関や介護保険施設等との連携を促進する観点から、退院・退所加算を以下のとおり見直す。

i 退院・退所時におけるケアプランの初回作成の手間を明確に評価する。
ii 医療機関等との連携回数に応じた評価とする。
iii 加えて、医療機関等におけるカンファレンスに参加した場合を上乗せで評価する。

また、退院・退所時にケアマネジャーが医療機関等から情報収集する際の聞き取り 事項を整理した様式例について、退院・退所後に必要な事柄を充実させる等、必要な見直しを行うこととする。

ウ 平時からの医療機関との連携促進

i 利用者が医療系サービスの利用を希望している場合等は、利用者の同意を得て主治の医師等の意見を求めることとされているが、この意見を求めた主治の医師等に対してケアプランを交付することを義務づける。
ii 訪問介護事業所等から伝達された利用者の口腔に関する問題や服薬状況、モニタリング等の際にケアマネジャー自身が把握した利用者の状態等について、ケアマ ネジャーから主治の医師等に必要な情報伝達を行うことを義務づける。

エ 医療機関等との総合的な連携の促進 医療・介護連携をさらに強化するため、特定事業所加算において、以下の全ての要件を満たす事業所を更に評価することとする。

(要件)
i 退院・退所加算を一定回数以上算定している事業所
ii III62イに記載する末期の悪性腫瘍の利用者に係る頻回な利用者の状態変化等の把握等に対する評価に係る加算を一定回数以上算定している事業所 iii 特定事業所加算(I~III)のいずれかを算定している事業所
※ 平成31年度から施行する。

 

2 末期の悪性腫瘍の利用者に対するケアマネジメント
ア ケアマネジメントプロセスの簡素化 著しい状態の変化を伴う末期の悪性腫瘍の利用者については、主治の医師等の助言を得ることを前提として、サービス担当者会議の招集を不要とすること等によりケ アマネジメントプロセスを簡素化する。

イ 頻回な利用者の状態変化等の把握等に対する評価の創設 末期の悪性腫瘍の利用者又はその家族の同意を得た上で、主治の医師等の助言を得つつ、ターミナル期に通常よりも頻回な訪問により利用者の状態変化やサービス 変更の必要性を把握するとともに、そこで把握した利用者の心身の状況等の情報を 記録し、主治の医師等医や居宅サービス事業者へ提供した場合を新たに評価する。

 

3 質の高いケアマネジメントの推進
ア 管理者要件の見直し 居宅介護支援事業所における人材育成の取組を促進するため、主任ケアマネジャーであることを管理者の要件とする。その際、一定の経過措置期間を設けることとする。

イ 地域における人材育成を行う事業者に対する評価 特定事業所加算について、他法人が運営する居宅介護支援事業所への支援を行う事業所など、地域のケアマネジメント機能を向上させる取組を評価することとする。

 

4 公正中立なケアマネジメントの確保
ア 契約時の説明等 利用者の意思に基づいた契約であることを確保するため、利用者やその家族に対して、利用者はケアプランに位置付ける居宅サービス事業所について、複数の事業所 の紹介を求めることが可能であること等(当該事業所をケアプランに位置付けた理由を 求めることが可能であること)を説明することを義務づけ、これらに違反した場合は報酬を減額する。
なお、例えば、集合住宅居住者において、特定の事業者のサービス利用が入居条件とされ、利用者の意思、アセスメント等を勘案せずに、利用者にとって適切なケアプ ランの作成が行われていない実態があるとの指摘も踏まえ、利用者の意思に反して、 集合住宅と同一敷地内等の居宅サービス事業所のみをケアプランに位置付けることは適切ではないことを明確化する。

イ 特定事業所集中減算の対象サービスの見直し 特定事業所集中減算について、請求事業所数の少ないサービスや、主治の医師等の指示により利用するサービス提供事業所が決まる医療系サービスは対象サービ スから除外する。なお、福祉用具貸与については、事業所数にかかわらずサービスを 集中させることも可能であることから対象とし、具体的には、訪問介護、通所介護及び 福祉用具貸与を対象とすることとする。

 

5 訪問回数の多い利用者への対応
ア 訪問回数の多いケアプランについては、利用者の自立支援・重度化防止や地域資 源の有効活用等の観点から、市町村が確認し、必要に応じて是正を促していくことが 適当であり、ケアマネジャーが、統計的に見て通常のケアプランよりかけ離れた回数 (※)の訪問介護(生活援助中心型)を位置付ける場合には、市町村にケアプランを届 け出ることとする。
(※)「全国平均利用回数+2標準偏差」を基準として平成 30 年4月に国が定め、6 ヶ 月の周知期間を設けて 10 月から施行する。

イ 地域ケア会議の機能として、届け出られたケアプランの検証を位置付け、市町村は 地域ケア会議の開催等により、届け出られたケアプランの検証を行うこととする。また市 町村は、必要に応じ、ケアマネジャーに対し、利用者の自立支援・重度化防止や地域 資源の有効活用等の観点から、サービス内容の是正を促す。

 

6 障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携
 障害福祉サービスを利用してきた障害者が介護保険サービスを利用する場合等にお ける、ケアマネジャーと障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携を促進するた め、指定居宅介護支援事業者が特定相談支援事業者との連携に努める必要がある旨 を明確にする。